CASE STUDY / 57

愛知県警察運転免許試験場 様

愛知万博から受け継がれる環境意識
「環境首都あいち」を目指す自動車王国

世界を牽引する自動車メーカーが本社を構え、多くの部品メーカーも集まる自動車王国・愛知県。自動車の保有台数は日本一(2023年現在)を誇ります。愛知県で自動車運転免許を取得する人なら誰もが知っている愛知県警察運転免許試験場。地元では「平針(ひらばり)」と呼ばれ親しまれてきた庁舎が2020年春、リニューアルオープンしました。
愛知県と言えば2005年に開催された、世界初の“環境”を題材とした国際博覧会である愛知万博。「自然の叡智」をテーマに掲げ、開催前の会場づくりから閉幕後まで環境への配慮が徹底されました。愛知万博を通して高まった愛知県民の環境に対する意識。その高い環境意識は今でも「環境首都あいち」を目指すさまざまな取り組みに受け継がれています。

自動車王国・愛知を支える運転免許試験場

自動車王国・愛知を支える運転免許試験場

自然エネルギーの活用で
環境にとことん配慮された新庁舎

愛知県警察運転免許試験場の建設は、地方公共団体が発注者となり、民間企業が設計・建設・改修・維持管理などを行うPFI事業として進められました。「環境首都あいち」に相応しい施設にするため、愛知県は建設にあたって環境保全に取り組むことを条件に盛り込みました。
完成したのは自然光の取り入れや自然換気など自然エネルギーを活用できる膜天井の他、スマートシェイドや天井放射空調を採用するなど環境にとことん配慮された庁舎。その他の建設計画も含め、愛知県から高く評価されました。

自然エネルギーの活用に貢献する膜天井

自然エネルギーの活用に貢献する膜天井

結果として、建物の機能性や空気質環境も評価対象となるCASBEE名古屋(名古屋市建築物環境配慮制度)で、愛知県警察運転免許試験場は2018年度に最高ランクのS評価。「環境首都あいち」に相応しい運転免許試験場が誕生しました。

多くの人が利用する公共施設だからこそ
放射整流空調でつくる上質空間

試験室にうってつけの誘引エアビーム
「気にならない空調」を実現

外調機として採用されたのは当社の空冷直膨式エアハン。試験エリアや講習エリアなど人が密集するスペースを中心に、季節に応じて温湿度調整した新鮮な外気を供給しています。毎年、加湿の切り替えタイミングで専門業者による点検を欠かさず、大切に使用いただいています。循環空調機にはエネルギー分散供給の観点からガスヒートポンプ式エアコンが設置されました。各階で空調用途ごとに熱源が分散配置されているので、フロアや室の使用状況に応じた省エネ運用も可能です。

空冷直膨式エアハンAC2-ZLX-AD型と近傍設置の室外機KM-DX型

空冷直膨式エアハンAC2-ZLX-AD型と近傍設置の室外機KM-DX型

最も集中力を要する試験室には、吹出口として誘引エアビームが採用されました。冷房時の凛とした清涼感と、暖房時のじんわりとした暖かさ。室内空気を誘引しながら極低速で吹き出すその構造で、上下温度ムラが少なく試験室にピッタリの「気にならない空調」を実現します。上下温度ムラの抑制が暖房時の「足元だけ寒い」を解消し、設定温度の緩和につながる省エネ運用も。
今回、照明とのバランスを見て3枚の天井材をまたいで設置された誘引エアビーム。普段とは違う施工に、空調工事を担当された東洋熱工業の増田様も慎重に進められたと言います。いつも以上に内装業者と連携しながら調整を重ね、プロの技で美しい仕上がりに。

試験室の「気にならない空調」を実現する誘引エアビーム

試験室の「気にならない空調」を実現する誘引エアビーム


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