CASE STUDY / 63
市立美唄病院 様
安心して暮らすことができる「ふるさと美唄」への変革
病室、透析室へ“風を感じない空調”を導入
超高齢化社会のフロントランナーとして
美しく生まれ変わった市立美唄病院
北海道の空知地方に位置する美唄(びばい)市。札幌から車で1時間とアクセスも良く、市内には豊かな自然や芸術文化など様々な魅力が広がります。
そんな魅力の多いまち、美唄市にも大きな課題が。65歳以上の人口割合が44%(2023年現在)に上り、かつて経験したことのない時代を迎えていると言います。美唄市は超高齢化社会のフロントランナーとして、市民が住み慣れた地域でずっと暮らすことができるよう美唄市らしい医療の在り方を探っていきました。
誰もが安心して暮らせる「ふるさと美唄」を目指して、まずおこなわれたのが市立美唄病院の建て替え工事。新しい病院では、訪れるすべての人が安心して施設を利用できるよう、ユニバーサルデザインの導入から使用する設備まで、抜かりなく検討されていきました。
少しずつ感じ始めた空調時の課題
快適に院内で過ごしていただくために
建て替え工事と共に、改めて患者さんのために最適な空調設備を検討された美唄市。旧病院の透析室では、患者さんから冷暖房の風が直接当たって寒いとの声や、空調時の温度ムラといった課題があったとのこと。一方で、病室には冷房設備がなく、窓を全開にして扇風機を回しているという状態でした。年々暑くなってきている北海道の夏。患者さんから「寝苦しい」との声もあがり始めていました。
そんな課題を抱えた中、設備設計を担当した設備設計工房 善の北村様は、以前誘引エアビームを導入した同規模の病院で“風を感じない空調”の心地よさを体感した経験があり、今回の計画でも最適な空調方式として空気式放射空調をご提案いただきました。設計検討が進むにつれ、“風を感じない空調”への期待が高まり、透析室、陰圧室、病室など、病院内各所へ合計106台の誘引エアビーム導入が決定しました。
長時間滞在する病院だからこそ
患者さんを想う優しい空調「誘引エアビーム」
患者さんに優しい空調をカタチに
病室にも最適な“風を感じない空調”
誘引エアビーム導入後、透析室においては患者さんから「風が直接当たらなくなり、治療中過ごしやすい」という声をいただくなど、ご好評の様子。透析室全体の温度ムラも解決されました。
そして、透析室と同様に不快な気流をなくし、快適にお過ごしいただきたいという想いから、すべての病室に誘引エアビームを導入。「気流を感じることなく、音も静かです。安心して患者さんがお休みになっています」と看護師長の菅野様がお話しくださいました。また、事務局管理課の秋保様より「今年の夏は特に暑かったですが、風を感じないのにしっかりと冷房されて快適になりました」とありがたいお言葉も。
誘引エアビームは誘引、放射、整流が特長の吹出口。誘引で冷温風温度を優しく緩和し、放射で居住域の温度ムラを抑えながら、整流で僅かな気流を吹出し空調します。
病室の空調は外調機で潜熱を、空調機で顕熱をそれぞれ処理し、誘引エアビームの直前で混合して給気するシステム。外気用の吹出口がなく意匠性を高めるほか、温湿度の偏りもありません。空調機がサーモオフした場合も、4床病室内それぞれの患者さんに調温・調湿した新鮮空気をムラなく供給し続けます。