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製品開発における環境負荷の低減

1. 製品開発

地球温暖化への対策はますます活発化し、高効率機器の開発が加速しています。

当社は「みず空調の活性化とヒートポンプ技術のさらなる活用」をテーマに、省エネ性能向上と省資源化の推進、衛生的かつ健康的な室内空気環境の実現を目指し、地球と人にやさしい空調製品の開発に取り組んでいます。

2. 主な空調機器の種類

(1) 冷温水式空調機器

冷温水式とは、熱源(冷温水発生装置)から供給される水(冷水または温水)を空調機に通水して冷暖房する方式で、熱源機器を集約化するため、中央熱源方式・セントラル方式ともいわれ大規模ビルに適します 。

当社ではエアハンドリングユニット(AHU)やファンコイルユニット(FCU)などの空調機を製作すると共に、室内環境保全やシステム全体の省エネに寄与する開発を推進しています。

■冷温水をつくる熱源システムは、冷凍機+ボイラー、ヒートポンプチラー、コージェネレーション方式、蓄熱方式、地域冷暖房や排熱・自然エネルギー利用など、多様です。

(2) ヒートポンプ式空調機器

ヒートポンプ式とは、圧縮機や凝縮器を搭載した室外機(熱源)と空調機をセットにし、フロン冷媒を循環させることにより冷暖房する方式で、必要なエリアに個別分散設置しやすく、比較的設計や施工が容易です。

当社では主に外気処理用途のヒートポンプ式空調機を製作し、高効率化、換気質の向上、フロン冷媒使用量や漏洩リスクの低減に繋がる一体形製品の開発を推進しています。

■ヒートポンプは冷媒の圧縮・膨張・熱交換を繰り返して熱を移動させる仕組みで、使うエネルギー(電力)以上の熱エネルギーが得られる省エネ技術です。

3. 木村工機の環境への取組み

当社では、室内環境品質の向上と省エネ性のバランスを追求し、設置先の環境に応じた設計やご提案を心掛け、様々なアプローチで環境保全に取り組んでいます。

(1) 搬送動力の低減

セントラル空調システムでは、熱を運ぶ水や空気の搬送動力を低減させることが大きな省エネに繋がります。当社では熱交換器の高効率化や室内結露を抑制する技術によって大温度差空調(往還の温度差を大きく設計し、システムを循環する水量や風量を抑制)の実現に寄与しています。また、大温度差空調は空調設備全体の小型化にも繋がるため、省資源、省力化が図れます。

(2) 自動制御および低負荷省エネ制御

当社では独自の空調制御技術を構築し、冷温水式、ヒートポンプ式それぞれの製品ごとの性能を最大限に引き出す細やかなカスタマイズを行っています。また、発生時間の多い低負荷運転時の制御性を高め、給気温度の安定化や省エネ性の向上にも繋げています。

(3) 熱交換器の高効率化

当社では、熱交換器の伝熱管を楕円形状にすることで空気抵抗を少なくし、ファン動力の削減や、コイルの小型化、多列数化を可能にしています。冷温水用のコイルでは、分流回路(水の流路をバランスよく分割したコイル)で低負荷時にも水の往還温度差を確保することができます。また、直膨(ヒートポンプ)用のコイルでは、内面に溝を付けた伝熱管の採用や2ウェイ回路による熱源交互運転で、圧縮機の制御性を高めています。さらに、新開発の斜平形コイルは、薄型構造で空調機器を小型化でき、高風速・低圧損を可能にしています。

(4)フロンガス使用量の削減

当社では、設置時のフロン配管を必要としない、室内外機一体形のヒートポンプ外調機を開発しています。

外調機に求められる機能をオールインワンパッケージ化した製品群で、フロン冷媒使用量や漏洩リスクの低減、コンパクト化による省資源のほか、設置工程の短縮化にもつながっています。

(5)排気熱の回収再利用

当社ではヒートポンプサイクルで熱回収をおこなう一体形外調機を開発しています。

給気温度の安定化にもつながる構造で、再熱や加湿機能を一体化し、快適性と省エネ性の両立を目指しています。

(6)自然エネルギーの活用

水冷ヒートポンプ式の一体形外調機は、地下水や温泉水などの自然エネルギーや冷却塔が利用できます。

水冷式は配管長の制限やヒートアイランド現象の原因となる空気中への放熱がなく、冷暖同時運転では熱回収効果が得られ省エネです。