POLICY

環境への取組方針

1. 環境に対する取り組み方針

(1)基本的な考え方

当社は企業倫理規範に「環境問題に積極的に取り組み、豊かな地球環境を次世代に引き継ぎます」と定め、環境リスクの低減に資する製品の開発に邁進するとともに、事業活動においても環境負荷低減に取り組んでいます。

気候変動対応については、ガバナンス体制を整備し、当社の事業活動に与えるリスク・機会を分析し、戦略・目標を設定して課題解決に取り組みます。具体的には、SCOPE1及びSCOPE2におけるCO₂排出量を2050年度実質ゼロとすることを目指し、2030年度に2019年度比50%に削減することを目標としています。

(2)環境方針

木村工機は、「われわれは 知恵と汗を礎にして 社会に貢献する」という社是のもと、企業倫理規範の「環境問題に積極的に取り組み、豊かな地球環境を次世代に引き継ぎます」に則り、環境方針を定め、製品と事業活動を通して環境負荷低減に積極的に取り組むことで、持続可能な社会の実現を目指します。

【製品を通した取組み】

■持続可能社会の実現に資する空調製品ならびに制御システムの開発

・木村工機は、排熱や外気エネルギーの積極活用、「みず」などの環境負荷の少ない冷媒の利用等、自然の力を活用した製品の開発に取り組みます。

・木村工機は、カーボンニュートラル社会の実現に向け、「高効率化」「軽量小型化」「長寿命化」「フロン使用の極少化」をスローガンに製品開発に取り組みます。

・木村工機は、省エネ性の追求と快適環境の実現(ECO&WELLNESS)の両立に取り組み、持続可能社会の実現を目指します。

【事業活動を通した取組み】

■カーボンニュートラルへの取組み

木村工機は、「省エネルギーへの継続的な取組み」「再生可能エネルギー等の活用」「輸送手段の低炭素化」等により、自社が排出する温室効果ガス排出量の削減に取り組みます。

■循環型社会への貢献

木村工機は、環境破壊の問題を解決するため、「3Rの拡大」などにより循環型社会実現に取り組みます。

・リデュース(Reduce):製品の小型化により省資源化・廃棄物削減を図る

・リユース(Reuse):部品交換等で、製品の長寿命化を図る

・リサイクル(Recycle):金属廃棄物などのリサイクル率を最大化する

■自然との共生

木村工機は、「化学物質の適正管理」として健康被害の懸念がある物質、自然分解特性の低い物質等の使用を回避し、地球環境保全、生物多様性保全のための活動に取り組みます。

2. 気候変動対応

(1) ガバナンス

当社では、気候変動対応をサステナビリティの重要課題と位置づけ、社長を委員長とするSDGs推進委員会の下に環境委員会を設置し、さらにその下にマテリアリティを基本とした部会を設けて、様々な取り組みを行っています。

気候変動に関するマテリアリティの目標や取り組みは、環境委員会によって作成された原案を基に取締役会の報告、助言を受け、各部会の担当者が中心となり、各部署の日々の活動を通じて取り組みが進められます。また、四半期ごとに開催されるSDGs推進委員会では、各部会での取り組みの進捗状況が報告され、都度取締役会に報告されます。

(2)戦略

当社は、サステナビリティ戦略として「空気のちからで社会を豊かにする」をスローガンに掲げています。

このスローガンのもと「エコ」と「ウェルネス」の視点で「社会課題の解決」に真摯に取り組み、社会と自社の成長を目指しています。また同時に「自社の変革」を推進し、高い対応力持ったレジリエンスな体制の構築を目指しています。

具体的にはガバナンス・コンプライアンス・リスクマネジメントを基盤とし、以下の4つのアクションを実践していきます。

【サステナビリティ戦略】

a.エコ ソリューション熱回収、高効率コイル、自然熱源利用など、省エネを追求した環境にやさしい製品の開発とその普及により社会課題の解決に取り組みます。
b.エコ トランスフォーメーション再生可能エネルギーの活用、化学物質の使用量の削減、廃棄物の削減などにより、自社の変革に取り組み、責任あるものづくりができる体制を構築します。
c.ウェルネス ソリューション外調機や放射整流ユニットなど、健やかで衛生的な製品の開発や提案によって空気質の価値創造を図ることで社会課題の解決に取り組みます。
d.ウェルネス トランスフォーメーションダイバーシティ、健康経営、ステークホルダーとの協働などにより、自社の変革に取り組み、いきいきと働ける環境を構築します。

【気候変動対応に関するマテリアリティと当社の取組み】

サステナビリティ戦略のアクションとリスクと機会の評価を基にマテリアリティを抽出し、各種取り組みを実践しています。気候変動対応に関する事項としては以下の通りです。

アクションマテリアリティ主な取組みESGSDGsの目標

エコ

ソリューション

製品開発における環境負荷の低減製品開発・改良の推進環境
取引先との協働による省エネ推進

エコ

トランスフォーメーション

事業における環境負荷の低減環境負荷の低い部材や輸送手段の採用
事業所の環境関係データ把握・省エネ取組み実行

【リスクと機会の評価】
気候変動に対する戦略の策定にあたって、リスクと機会について評価しています。評価には、2℃上昇シナリオと4℃上昇シナリオを使用し、それぞれのシナリオごとに発生しうる事象を想定し、それに応じた事業インパクトと財務インパクトを分析しています。

将来の気候変動の程度は不確実ですので、仮に「4℃上昇するシナリオ」と「2℃上昇するシナリオ」という2つのシナリオを想定して分析します。
「4℃上昇するシナリオ」・・・今後、特に規制や気温上昇を抑えるための取り組みなどが行われず、2100年時点で産業革命時に比べ気温が4℃以上上昇するシナリオ。
「2℃上昇するシナリオ」・・・規制など気温上昇を抑えるための厳しい取り組みが行われ、2100年時点で産業革命時に比べ気温上昇が2℃未満に抑えるシナリオ。
それぞれのシナリオで起こり得る事象、それが事業へ及ぼすインパクト(影響)、さらには財務的なインパクト(影響)の大きさを分析します。

a.リスク評価

リスク分散事象事業インパクト財務インパクト対処
 

2℃

上昇シナリオ

4℃

上昇シナリオ

2℃4℃
物理的急性大型台風、海面上昇などの風水害発生可能性が高い発生可能性が非常に高い操業停止に伴う機会損失

●代替生産体制の確立

●災害への設置対応

設備の損傷倒壊に伴う修理・更新
製品在庫の損傷
慢性各地の災害による供給不安(代替素材の争奪など)原材料の獲得競争発生原材料の獲得競争激化原材料価格の高騰

●製品のコンパクト化

●調達先の開拓

●代替材料の研究開発

移行政策・法規制各種税制(省エネ・温室効果ガス等)強化更なる規制の強化現状の帰省が継続エネルギーの使用制限強化●各種省エネの導入
フロンの使用制限強化●低GWP冷媒使用製品の開発
省エネ性能規制強化●省エネの開発、認知向上
炭素税などの導入●カーボンオフセットの活用
市場顧客の意識の変化意識の変化 大意識の変化 小環境配慮型製品へのシフト●省エネの開発、認知向上

■物理的(リスク):気候変動による「物理的」変化に対するリスク

■急性:突発的に発生し、マイナスの影響をもたらすこと

■慢性:ある事象の影響が一定期間続き、マイナスの影響をもたらすこと

■移行(リスク):低炭素経済への「移行」に関するリスク

■政策・法規制:規制の強化に伴うマイナスの影響

■市場:消費行動の変化など

b.機会評価

機会分類事象事業インパクト財務インパクト対処
 

2℃

上昇シナリオ

4℃

上昇シナリオ

2℃4℃
製品省エネ・省資源製品の増加需要急増需要は現状維持小型・長寿命製品の需要増●小型・長寿命製品・部品の開発
省エネ製品の需要増●省エネ製品の開発・生産力の強化
フロン使用料・漏洩リスク削減

●少フロン製品の開発

●漏洩防止システム対応

ヒートポンプ製品の需要増●ヒートポンプ製品の普及
市場低GWPフロン冷媒への移行要請低GWPフロン冷媒へ急速に移行現状維持低GWPフロン冷媒への移行●低GWPフロン冷媒利用製品への改造・開発
大型台風、海面上昇などの風水害に対する防災関連需要需要増加需要急増防災対策の市場拡大●災害対応オプションの推奨
災害による建物修繕工事の増加●販売活動の充実
温暖化地域の増加要空調地域の逓増要空調地域の急増冷房要求エリア・空調対象施設の増加
強靭性気候変動に伴う動向は予測不能環境規制が大きく変化環境規制等の変化は少ないこの先の各国における環境規制、技術革新、顧客行動の変化などへの対応●ヒートポンプ製品と冷温水製品の両方の製造販売体制を維持
●気候や新基準に対応した独自性のある製品を迅速に開発する体制を推進
●多様な分野を対象とした「分野別最適空調」を推進

■製品:製品の開発や販売におけるビジネスチャンス

■市場:市場環境におけるビジネスチャンス

■強靭性:気候変動に伴う変化は予測不能であるがゆえのビジネスチャンス

(3)リスク管理

当社は、気候変動対応について、サステナビリティに関わる重要課題と認識し、SDGs推進委員会のリスクマネジメントの取り組みの一環として統合的に取り組んでいます。

その中で気候変動におけるリスクについては、地球温暖化に伴う物理的な変化とそれに対する社会の移行におけるリスクについて評価しています。(「(2)戦略【リスクと機会の評価】a.リスク評価」参照)

これらのリスクに対する取り組みは、毎四半期に開催されるSDGs推進委員会にて報告・協議され、その結果は取締役会に報告されます。

(4)指標と目標

当社は、各マテリアリティに対する主な取り組みごとに目標を設定し、これの実現に努めています。

CO2排出量については、SCOPE1・2において、将来における削減目標を以下の通り定め、取り組んでいます。

・2030年度・・・・・2019年度比50%

・2050年度・・・・・CO2排出量実質ゼロ

温室効果ガスのScopeとは

温室効果ガス排出量は、排出源別にScope1、2、3に分けることができます。

企業自らが排出する直接排出がScope1、電力や熱などのエネルギー調達に伴う間接排出がScope2、仕入先、販売先、外注先などバリューチェーンにおける他社による間接的排出であるScope3があります。

 

なお、当社の直近のCO2排出量SCOPE1、SCOPE2は以下の通りです。

【CO2排出量の推移】

(5)トランジション戦略

当社は、事業活動におけるカーボンニュートラルの取り組みについて、製造部門の設備投資計画を中心に経営計画に組み込んでいます。

環境