快適なクールビズのために
クールビズにおける冷房室温28℃は、温度のみに対応した空調方式の場合、除湿が不十分となり蒸し暑さを感じることがあります。また、暖房期に湿度が不足すると、乾燥によるのどや目の渇きの他、インフルエンザウィルスの感染予防上望ましくないとされ、適切な湿度調整が求められます。
そのため近年では、健康の保持や知的生産性・労働意欲の向上を目的とした快適な執務環境の整備が進められており、温度のみではなく“湿度”をコントロールする空調方式が注目されています。
「調温調湿空調システム(2)」は除湿・加湿機能を充実させた冷温水式高性能エアハン「エア・コンビ」天埋ワンスパン形に省エネ制御と空気式放射空調を組み合わせ、従来の課題を解決した快適なクールビズ・ウォームビズ空調を実現しています。

- 用途
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特長
除湿・加湿・ゆらぎ放射でつくる「超快適空間」
「調温調湿空調システム」は、外気導入における安定的な除湿・加湿機能を特長とする潜顕一体空調システムです。
システムの軸となる「エア・コンビ天埋ワンスパン形」は、外気(潜熱)と還気(顕熱)を機内で分離処理し、混合吹出しすることで室内温湿度を自在にコントロールします。
外気側第1コイルと還気側第2コイルを内蔵し、気化式加湿器連装など調温調湿技術を一体化して、快適なクールビズ空調を自動運転します。
また、熱源エリアは外気温湿度による送水温度可変やポンプの水速調整をおこなうことで制御性を高め、省エネを図ります(空冷HPチラーの場合)。
さらに、室内側に「環境エアビーム」を接続し、吹出し口や窓ガラスの結露を防ぎながら気流を感じない快適空間を実現します。
冷温水式「エア・コンビ」天埋ワンスパン形
外気用、還気用の2つのコイルを搭載し、潜顕分離、調温調湿を一体形互換運転で構築する高性能エアハンです。ワンスパン100m2に1台設置でき、設計施工のモジュール化や間取り変更・課金管理の簡略化に役立ちます。
コンパクトな天埋形で床面積を有効に活用でき、組み込み部品は横から引き出せるためメンテナンス作業も容易です。
中間期・冬期の冷暖フリー運転に外気冷房を活用し、省エネ効果を発揮します。
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2コイル搭載一体形
外気(潜熱)と還気(顕熱)をそれぞれ専用のコイルで処理し、機内で混合してから吹出す一体形モデルです。 外気側第1コイルは導入外気を13℃まで過冷却除湿する能力を持ち、充分な除湿が可能です。還気側第2コイルは室内還気を16℃程度に冷却し、低負荷時には運転を停止します。 混合吹き出しは除湿に伴う過冷却空気の再熱効果があります。
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2管接続構造
機外配管を2管式とすることで空調機周りの配管工事の簡略化を図ります。 外気用コイル・還気用コイルを直列で連続通水し、大温度差運転をおこないます。
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自動制御を一体化
空調自動制御盤を搭載し、負荷に応じて温度、湿度、通水量などの自動調整をします。 各種インターフェースやBACnetに対応する拡張性を備えており、専用リモコンでは省エネ運転設定、CO2制御、温湿度設定などがエアコン感覚でおこなえます。
充実した加湿ラインナップでRH40%~50%を確保
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衛生的湿度環境
人が健康で快適に生活するためには有害な微生物を増大させないことが需要で、最適な湿度はRH40~60%と言われています。また、窓際や吹出口の結露はカビやダニを増殖させ、臭気やアレルギー疾患の原因ともなるため、しっかり管理することが必要です。
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インフルエンザウィルスの生存率
湿度が低いとインフルエンザウィルスの生存率を高め、人の気道粘膜の防除機能が弱まり、感染率が高くなります。温度22℃では湿度をRH50%に保つことで6時間後の生存率は3~5%程度に低下しています。
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窓面の結露防止効果
吹出し口にはエアビームを接続し放射空調をおこないます。放射熱は温度の高い方から低い方へ移動し、窓ガラス内面の熱伝達率を抑制します。(※)結露防止性能を保証するものではありません。十分な対策として複層ガラス等のご使用を推奨します。
13℃過冷却による除湿効果
13℃過冷却により十分に除湿し「DB28℃:RH42%」「DB26℃:RH50%」のクールビズ空調に対応します。室温28℃の場合湿度が高いと暑いと感じることがあり、湿度を抑えることが快適なクールビズにつながります。また、送風温度を通常の16℃から13℃にすることで風量を30%削減でき、送風動力を40~50%抑えます。ダクトやダンパー類も細径化されるため、コスト的なメリットも十分に得られます。
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体感温度の比較
同じ温度でも湿度により体感温度は異なり、PMVや不快指数が示すように熱的快適感も変化します。
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PMVおよびPPD
PMVとは温度、湿度、放射温度、気流、人の活動量、着衣量からなる温熱環境評価指数で、PPDとはその温熱環境に不満足・不快さを感じる人の割合を示すのに用いられます。ISOの標準では、PMVが±0.5以内、不快者率10%以下となるような温熱環境を推奨しています。
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不快指数
不快指数とは気温・湿度から計算する蒸し暑さを示す指数で、不快感の程度の目安となります。体感温度は気温と湿度だけではなく気流等の条件によっても異なるため必ずしも数値と一致するわけではありませんが、70以上では一部の人が、75以上では半数以上が、80以上では全員が不快を感じるとされています。
放射整流空調
人にもモノにも優しい「エアビーム」
凛とした清涼感、包まれるような暖かさ。風を感じない空調はオフィス・病院・学校・ホテルなど人へのやさしさが求められる環境に最適です。
また薬品、製菓、金箔など、気流の影響に配慮が必要な現場にも多数採用されています。
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01除湿時の結露対策
13℃低温送風は省エネ効果が高く十分な除湿が可能ですが、結露対策が必要となります。エアビームは給気圧で室内空気を誘引するため再熱効果が得られ、再熱器を用いず結露を回避することができます。
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02加湿時の結露対策
冬期のウィルス感染予防には加湿が効果的ですが、窓ガラスの結露につながることがあります。放射熱は温度の高い方から低い方へ移動し、窓ガラス内面の熱伝達率を抑制します。(※)十分な結露防止性能を保証するものではありませんので複層ガラス等のご使用を推奨します。
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03「ゆらぎ放射」による快適感
放射空調は対流空調で問題となりやすい不快な気流を解消し、室内の水平および垂直方向の温度差を緩和します。 エアビームは熱放射と微少気流を併用する新方式で、放射空調の快適感と外調機や空調機がもつ換気機能や調湿機能を両立することができます。
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04高い汎用性
特別な専用設備を必要とせず、一般に普及している対流空調システムの「吹き出し口」として接続するだけで放射空調を確立します。
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05異分野と一体化
照明、音響スピーカー、イオン・オゾン発生器の組込が可能です。
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06モノへのやさしさ
精密測定機器への気流対策、食品の乾燥対策など、ものづくりの現場でも品質向上に貢献しています。
型番別詳細
エア・コンビ天埋ワンスパン形 SHR-A型(標準形)

全風量1800m3/h (外気540m3/h 還気1260m3/h)
特長 | |
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1 | 柱間10m×10m以内に設置 |
2 | 2管式、ツインコイル、気化式加湿器2連装で調温・調湿を最適化 |
3 | 冬期や中間期は気化式加湿器を利用した外気冷房、気化熱冷却・加湿運転ができ省エネ |
4 | ファンモーターと加湿器は横引き出し構造のためメンテナンスが容易 |
エア・コンビ天埋ワンスパン形 SHR-B型(うす形)

全風量1800m3/h (外気540m3/h 還気1260m3/h)
特長 | |
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1 | 柱間10m×10m以内に設置 |
2 | 2管式、ツインコイル、気化式加湿器2連装で調温・調湿を最適化 |
3 | 冬期や中間期は気化式加湿器を利用した外気冷房、気化熱冷却・加湿運転ができ省エネ |
4 | ファンモーターと加湿器は横引き出し構造のためメンテナンスが容易 |