CASE STUDY / 72

靜甲株式会社 様

地元・静岡を大切にしながら社会に貢献
確かな品質で届ける「SEIKO QUALITY」

 1939年の創業以来、地元・静岡とともに成長を続ける靜甲株式会社様。現在では産業機械事業、冷間鍛造事業、電気機器事業、車両関係事業など幅広い事業を展開されています。その中で、冷間鍛造による量産品を製造するのが富士川工場。冷間鍛造とは金属プレス加工の一種で、熱間鍛造や切削加工に比べて素材ロスが少なく経済的な加工法です。同社の製品は、強度と精度が要求される自動車や電動工具、自動ドアやエレベーターなどの部品に使用されています。

スポーツを通じて市民の健康づくりにも貢献するソフトボール部

スポーツを通じて市民の健康づくりにも貢献するソフトボール部

スポットクーラーと扇風機で凌いでいた猛暑
本格的な暑熱対策に工場用ゾーン空調機

 熱間鍛造に比べて低温とは言え、加工素材の温度が170℃に達することもある冷間鍛造。焼鈍炉など生産設備からの排熱もあり、以前の富士川工場内の温度は40℃に迫るほど。これまではスポットクーラーと扇風機で暑さを凌いでおり、製造部長の佐野様は「広く暑い工場なので、空調するのは夢の話だと思っていました」と振り返ります。
 そんな中、本格的な暑熱対策に取り組むきっかけになったのが「匠塾(たくみじゅく)」。匠塾とは同社研修プログラムの1つで、ベテラン社員が持つ高度な技術を次世代に伝えることが目的です。カリキュラムの1つとして、富士川工場の暑熱対策計画がスタートしました。
 当初、一般的な床置タイプの空調機で検討を進めていましたが、工場内での設置場所が確保できずに断念。壁掛タイプなら、と工場用ゾーン空調機CRV2-10200HP型を2台採用いただき、足場を組みながら同社で施工されました。

フル装備の室外機(左)と冷間鍛造に用いられる焼鈍炉(右)

フル装備の室外機(左)と冷間鍛造に用いられる焼鈍炉(右)

商事部門が扱う商品を自分たちでも使ってみたい
暑さに悩んでいた自社工場を、暑熱対策のショールームに

どうしても冷やせない焼鈍炉があるからこそ
パワフル爽風で“涼しいメイン通路”を実現

 商品営業部の青木様は「ここはわたしたちが取り扱う商品のショールームにもなっています」と話します。工場用ゾーン空調機の室外機には、同社の商事部門が扱う商品が多く取り付けられました。防振架台の他、降雪の影響を最小限に抑える防雪フードや高置架台をフル装備。お客様ごとの課題や状況に応じた最適な解決策を考えるため、商社として日々扱う商品を、自分たちでも実際に使ってみたかったと言います。

 工場内には焼鈍炉など高温になる設備があるものの、20m先まで到達するパワフル爽風がメイン通路に吹き込み、涼しさが感じられます。製造課長の渡邉様は「一般的な冷間鍛造工場と比較して、働きやすい環境になりました」と高評価。他社の従業員からも「以前と比べて涼しくなりましたね」と言われることが増えたそうです。

CRV2-HP型の吸込口の先に取り付けられた電気集塵機(客先施工)

CRV2-HP型の吸込口の先に取り付けられた電気集塵機(客先施工)

 さらに空気を調和するためには、温度、湿度、気流だけでなく、清浄度も重要です。冷間鍛造では潤滑剤の使用が不可欠で、工場内にはオイルミストが飛散します。局所排気はされていましたが、さらに工場内の清浄度を高めるため、CRV2-HP型の吸込口にダクトを接続し、電気集塵機が設置されました。空調機内部の保護にも有効で、長寿命化につながります。
 湿度の高くなる梅雨時期には、夜間も“送風運転”の工場用ゾーン空調機とサーキュレーターで気流を発生させ、鉄の結露やサビの発生を抑制。

 冬期には始業前に予め暖房運転をして、手がかじかむことのないよう工場内を暖めてから作業をスタートします。山間部で冬の寒さが厳しい富士川工場でも「しっかりと暖房効果がありました」と笑顔の渡邉様。夏期だけでなく、梅雨時期や冬期にも工場用ゾーン空調機を活用いただいています。

これからも働きがいのある職場環境へ
決して止まることのない次なる挑戦

 工場のすぐそばを流れるのは、日本を代表する大河・富士川。ここが東日本と西日本の電源周波数を分ける境目になっています。取材の最後に、富士川工場長の田代様に今後の意気込みを伺いました。「鉄だけでなく新たな素材、新たな工法にもチャレンジしていきたいと思っています」。富士川の水流のように決して止まることなく、同社の挑戦はこれからも続きます。

古くから人々の暮らしに根付いてきた富士川

古くから人々の暮らしに根付いてきた富士川


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