CASE STUDY / 72
靜甲株式会社 様
「広くて暑い工場での空調は、夢の話だと思っていました」
冷間鍛造の暑さ対策に採用された工場用ゾーン空調機
スポットクーラーと扇風機で凌いでいた猛暑
本格的な暑熱対策に工場用ゾーン空調機
熱間鍛造に比べて低温とは言え、加工素材の温度が170℃に達することもある冷間鍛造。焼鈍炉など生産設備からの排熱もあり、以前の富士川工場内の温度は40℃に迫るほど。これまではスポットクーラーと扇風機で暑さを凌いでおり、製造部長の佐野様は「広く暑い工場なので、空調するのは夢の話だと思っていました」と振り返ります。
そんな中、本格的な暑熱対策に取り組むきっかけになったのが「匠塾(たくみじゅく)」。匠塾とは同社研修プログラムの1つで、ベテラン社員が持つ高度な技術を次世代に伝えることが目的です。カリキュラムの1つとして、富士川工場の暑熱対策計画がスタートしました。
当初、一般的な床置タイプの空調機で検討を進めていましたが、工場内での設置場所が確保できずに断念。壁掛タイプなら、と工場用ゾーン空調機CRV2-10200HP型を2台採用いただき、足場を組みながら同社で施工されました。
商事部門が扱う商品を自分たちでも使ってみたい
暑さに悩んでいた自社工場を、暑熱対策のショールームに
どうしても冷やせない焼鈍炉があるからこそ
パワフル爽風で“涼しいメイン通路”を実現
商品営業部の青木様は「ここはわたしたちが取り扱う商品のショールームにもなっています」と話します。工場用ゾーン空調機の室外機には、同社の商事部門が扱う商品が多く取り付けられました。防振架台の他、降雪の影響を最小限に抑える防雪フードや高置架台をフル装備。お客様ごとの課題や状況に応じた最適な解決策を考えるため、商社として日々扱う商品を、自分たちでも実際に使ってみたかったと言います。
さらに空気を調和するためには、温度、湿度、気流だけでなく、清浄度も重要です。冷間鍛造では潤滑剤の使用が不可欠で、工場内にはオイルミストが飛散します。局所排気はされていましたが、さらに工場内の清浄度を高めるため、CRV2-HP型の吸込口にダクトを接続し、電気集塵機が設置されました。空調機内部の保護にも有効で、長寿命化につながります。
湿度の高くなる梅雨時期には、夜間も“送風運転”の工場用ゾーン空調機とサーキュレーターで気流を発生させ、鉄の結露やサビの発生を抑制。
冬期には始業前に予め暖房運転をして、手がかじかむことのないよう工場内を暖めてから作業をスタートします。山間部で冬の寒さが厳しい富士川工場でも「しっかりと暖房効果がありました」と笑顔の渡邉様。夏期だけでなく、梅雨時期や冬期にも工場用ゾーン空調機を活用いただいています。