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医療施設

衛生的で人にやさしい空調

病院やクリニックでは衛生的な環境を保つためにさまざまな対策が施されています。換気もその中のひとつで、室内の臭気・細菌・ウィルスなどを含む汚れた空気を排出し、新鮮な外気と入れ替えることで適切な環境が保たれます。また、長時間の治療を要する透析室や入院病棟では、空調気流が課題となることがあり、天井放射空調にも注目が集まっています。

換気を強化する

空気をしっかり入れ替えたい

換気の種類

上手に換気をおこないしっかりと室内の空気を入れ替えるためには、屋外の空気を取り入れる「給気」と、汚れた空気を排出する「排気」が必要です。換気には動力を使わない「自然換気」と、送風機（ファン）などを利用する「機械換気」があります。

エアコンの冷暖房

一般的な冷暖房設備は空気の入れ替えをおこなわない室内循環空調。人が多いほど空気が汚れるため、新鮮な外気の導入が必要です。

機械でおこなう換気

機械でおこなう換気は次のように分類されます。給気量と排気量のバランスによって室内圧を管理したり、部屋の空気の出入りに配慮することができます。

第一種換気

「ファンで給気／ファンで排気」
室内圧が自由に設定でき、計画換気に適しています。
第二種換気

「ファンで給気／排気口で自然排気」
室内が正圧となり、外部からの空気の侵入を防ぎます。
第三種換気

「給気口で自然給気／ファンで排気」
室内が負圧となり、隙間から空気が侵入します。有毒ガスや病原菌などが発生する室内の換気に適しています。

外調機を活用した換気

外調機とは、温度・湿度・清浄度を整えて室内に給気する機械です。室内の空調負荷を抑えながら安定的に外気を供給し、室内を清潔に保ちます。

空冷HP式熱回収外調機

熱源一体形外調機。1台で給気と排気をおこないます。本格的な外気処理と室内排気の熱回収で、換気を最適化。導入外気と排気が混ざらないよう機内を分割し、臭気や菌の移行にも配慮しています。
空冷HP式立形ルーフトップ外調機

熱源一体形外調機。冷房・除湿再熱・外気冷房を自動運転します。再熱はホットガスをバイパスし、エネルギーを再利用しておこないます。乾燥しがちな冬期にも標準装備の気化式加湿器で湿度を確保しながら清浄度の高い空気を室内に給気します。

病室陽圧例

排気＜給気で室内を陽圧化。汚染空気の侵入を防ぎます。
エアコンにもやさしい外調機

外調機で温湿度を整えた清潔な空気を供給。外気温度が大きく変動してもエアコンに負荷がかかりません。

湿度を管理する

カラカラ・ジメジメをなくしたい

衛生的環境を整える湿度

湿度を適切に管理することは、患者さんや働く方々にとって過ごしやすい環境を整えることにつながります。また、ウィルスやアレルゲン物質の繁殖を抑え、衛生的な環境を保ちます。

外調機で加湿・除湿

外調機は新鮮な外気を室内に供給する際に、加湿や除湿をおこなうことができます。「ハイブリッド加湿」は気化式加湿器と蒸気加湿器を組み合わせ、消費電力を抑えながら十分な湿度を確保します。

病室の暖房例

暖房中に乾燥した冷たい外気をそのまま室内に入れると、室内エアコンに負荷がかかって暖房が強まり、さらなる乾燥につながることがあります。外調機で加湿することで部屋全体が潤い、乾燥に起因するさまざまな課題を解消します。
病室の冷房例

室内循環エアコンで冷房中に高温多湿の外気を入れると、冷えているのにムシムシしたり、吹出口に結露が発生することがあります。外調機で除湿した外気を入れることで蒸し暑さがなくなり、エアコンの温度設定が高めでも心地よく過ごすことができます。

空冷直膨式高性能エアハン

低温送風、ハイブリッド加湿、2ウェイ回路コイルなどにより優れた省エネ制御をおこなうコンパクトなエアハンです。外気処理、外気混合空調用をラインナップしています。平成26年度省エネ大賞受賞モデル。
冷温水式大温度差エアハン

分流コイルを搭載し、冷温水往還大温度差、低負荷制御、低温送風など空調システムの省エネ設計に対応するコンパクトモデルです。外気処理・外気混合空調・室内循環空調、全熱交換器組込など広く対応可能です。
加湿

加湿は気化式加湿、蒸気加湿のほか、両方を搭載し高効率制御するハイブリッド加湿をラインナップしています。蒸気加湿器は大容量床置型と天吊型をご用意しています。

気流に配慮する

不快な風当たりをなくしたい

患者さんが長時間過ごす病室では、空調吹出し口の形状や配置に留意し、気流が直接ベッド面に吹き付けることのないよう配慮が必要です。放射整流ユニット「誘引エアビーム」は不快な気流を抑えながら熱放射で室内を温度ムラなく整え、気流のお悩みを解決します。

対流式空調

室内の温度維持にはエアコンが欠かせません。しかし時として、患者さんのからだに風が直接あたる、足元が寒いといった声が…

誘引エアビームで風を感じない空調

「誘引エアビーム」はダクト式空調機に接続する吹出口です。冷温水配管を敷設する放射冷暖房と異なり、専用設備を設けず空調機や外調機を使用します。水漏れリスクがなく、加湿や除湿ができ、からだに感じない程度のわずかな気流と熱放射で室内温度を均一に整えます。透析治療室や授乳室などで多く採用されています。

冷房時のしくみ

室内空気をユニット内へ誘引し、空調機からの冷風と混合してから微少気流で吹出します。内包のアルミ製蓄熱フィンから熱放射し室内温度をムラなく整えます。
4床病室設置例

ファンコイルや天埋エアコンなど、ダクト式であればほとんどの空調機や外調機に接続することができます。

納入例●香川県　小豆島中央病院様

小豆島発展の中核を担う総合病院。透析室にエアビームを採用頂きました。別系統では直膨エアハンによる外気処理と加湿をおこなっています。
納入例●千葉県　新柏クリニック様

120床の透析クリニック。天井設備を同一色のゾーンにまとめ木目の美しさを際立たせています。室内温調用エアコンの吹出口にエアビームを設置、直膨エアハンで外気処理。