CASE STUDY / 76
一般財団法人電力中央研究所 様
様々な研究の基礎となる精密無機分析
分析室の繊細な環境づくりに冷温水式高性能エアハン
自然科学から社会経済まで幅広い分野で
社会に貢献する「知のスペシャリスト集団」
2026年に創設75周年を迎える一般財団法人電力中央研究所様。1951年に創設されて以来、電気事業が直面する課題を科学技術研究を通じて解決するとともに、革新的な技術を創出し続けています。
数ある拠点の中で、自然・環境科学研究の拠点と位置付けられるのが我孫子地区。サステナブルシステム研究本部が設置され、農学や土木工学、環境化学など様々な観点から、電力設備のレジリエンス強化、環境影響・リスク評価に基づく電力設備の立地・運用支援、原子力の安定的で持続可能な利用に関する研究開発などが日々進められています。
最先端の研究を進めていくため、定期的に研究環境が整備されているという我孫子地区の中で、1983年から稼働している北研究棟。より適切な環境を構築するという観点から、これまで離れた場所にあった精密無機分析の準備室と分析室を、北研究棟に集約することになりました。
精密無機分析の分析室への外気導入
設置面積を抑えた積層形外調機で実現
「精密無機分析は、様々な研究の基礎となる分析です」と教えてくださったのは生物・環境化学研究部門の小林様。精密無機分析は、元素の動きや含有量の変化を正確に把握するために実施する化学分析です。環境アセスメントや発電所のリスク評価の他、新たに開発された資材の性能や耐久性の評価などで重要な役割を果たすと言います。
準備室は、特に高い清浄度が求められるクリーンルーム。ドラフトチャンバーが設置され、試料を測定手法に適した状態に処理します。その後、温湿度が管理された隣接する分析室で、誘導結合プラズマ質量分析法(ICP-MS)を用いて分析が進められます。
これらの高い清浄度や温湿度を維持すべく、外調機を設置。メンテナンス性や設置スペースなどを考慮した結果、送風機が直動式で定期的なベルト交換の必要がなく、積層形で省スペースな冷温水式高性能エアハンSPV2-OA型をご採用いただきました。
3台の除湿機だけでは足りなかった湿度コントロールも
外調機ならではの過冷却除湿と再熱で実現
繊細な環境を維持するための外調機
3WAY分流回路でトータル制御レンジを拡大
今回の空調対象エリアは、精密無機分析の準備室と分析室。生物・環境化学研究部門の足立様は「温度環境はもちろん、低い湿度も維持しなければ分析結果に影響が出てしまうほど繊細です」と話します。以前は除湿機を3台設置して対応していましたが、外調機がなかったため空気中の水分を除去し切れずトラブルに見舞われたことも。SPV2-OA型は、通常13℃の給気温度下限を10℃まで過冷却除湿できるよう改造し、再熱コイルを追加して温湿度を確実にコントロールします。
持続可能な開発目標の達成へ
研究を通じて社会に貢献し続ける
石炭火力発電において、燃焼時に発生する石炭灰をリサイクルし、CO₂削減に活用できたら――。今、そのような研究も進行中だそうです。小林様は「多角的な視点から、研究を通じて社会に貢献し続けていきたい」と話します。豊かな地球を持続させるための取り組み。電気が照らしているのは、地球の明るい未来です。