CASE STUDY / 19

神戸天然物化学株式会社 出雲第一工場 様

基礎研究から商業生産までを幅広くサポート
確かな品質を支える技術力と生産体制

神戸天然物化学株式会社(本社・兵庫県神戸市)様は、有機化合物の受託研究、受託製造・分離精製及び技術開発をされています。

創業以来蓄積した化学合成技術を医薬・農薬・化学・電気・電子・食品・エネルギーなどの幅広い分野で活かし、基礎研究から商業生産までニーズに応じたスケールで数多くの企業様をサポートされています。専門性の高い知識と生産体制でスピードアップやコスト削減を可能にし、高品質な製品づくりでパートナー企業との信頼関係を築いています。

研究・生産拠点は、神戸研究所・神戸工場、岩岡工場(神戸市)、市川研究所(兵庫県神崎郡)、出雲工場(島根県出雲市)、KNCバイオリサーチセンター(神戸市)の5拠点で、2017年4月には出雲第一工場に品質管理棟が竣工しました。医薬品関連の製造を行う出雲第一工場では用途により建物が分散配置されており、扱う製品によって求められる温湿度が違うためそれぞれに適した空調設備が導入されています。

計測機器への影響を避けるため
「風を感じない空調」を採用

出雲第一工場 品質管理棟の設計を担当された日本空調サービス株式会社 中田はすみ様にお話を伺いました。

中田様「空調設計にあたっては、ラボの温湿度を通年一定に保つこと、気流を最小限に抑えること、管理しやすい設備とすることが条件でした。秤量室のセミミクロ天秤は精度が高く、わずかな温湿度の差や気流の乱れが計測値に影響を与えるため、極力ドラフトのない方式を探す必要がありました。

まず、空冷直膨式エアハンを軸にシステムを構築することで、管理の簡便さと安定的な温湿度制御の両立を図りました。更に注力したのは気流や温度ムラを抑える工夫です。吹出し口は、性能や意匠、コストなどあらゆる角度で検討を重ね、エアビームを選びました。施工面では、天井だけではなく壁面にも設置して室内温熱環境の均一化に徹底的にこだわっています。試運転時の温度測定では良い結果が出ており、品質の良い空調をご提供するため、現在チューニングを進めています。」

高精度な検査環境づくりに貢献する
「空冷直膨式エアハン」と「誘引エアビーム」

空冷直膨式で空調管理を簡便化

出雲第一工場では建物ごとに用途に適した空調方式が採用されています。冷温水式は給気温度が安定するメリットがある反面、付帯設備や水質の管理が必要となるため、品質管理棟では空調管理の簡便化を図り空冷直膨式が採用されました。

制御システムで安定的な温湿度管理

空冷直膨式エアハンは外部(中央監視)からの指令により運転できる制御システムとし、温湿度や状態を中央監視システムで一元管理できるよう拡張性を持たせました。
一次処理外調機として空冷直膨式床置コンパクト形エアハン(CAV型)、二次処理空調機として同じく天吊コンパクト形エアハン(BRH型)を直列配置し、温熱環境の均一化と共に空気清浄度を高める設計となっています。

計測への影響を抑えるためにエアビームを採用

試験室や秤量室には精度の高い機器が多いため、気流を最小限に抑えることが設計上の重要な条件でした。エアビームは一般的な送風式の空調とは異なり、外調機や空調機からの冷温風により発生させた放射熱と微気流(初速0.2~0.8m/s)を利用して温熱環境を整えるため、気流を感じることがほとんどありません。

放射熱(ふく射)の特性を活用しエアビームを壁面にも設置

放射熱(ふく射)は距離減衰なく空間を移動する特性があります。試験室ではエアビームを天井と壁面(縦設置)に効率よく配置し、放射効果を引き出すことで温度ムラを抑制する設計がされています。外気温32℃を超える取材当日、試験室内は設定温度22℃をほぼ保っており、気流を感じないため肌寒く感じることもありませんでした。

オプションで室外機の耐久性を向上

出雲第一工場は海に程近い立地のため、室外機は耐重塩害仕様を採用し、降雪に備えて防雪フードを装着しています。


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